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ロデオラのアダプトゲン作用について  2012-10-27
M.D.  M.YOKOYAMA 2012-10-27
今回はロデオラをとりあげる。

ロデオラ・ロゼア Rhodiola rosea、別名イワベンケイは、強力なアダプトゲン作用を有する植物である。
ロデオラの生物学的活性物質には有機酸、フラボノイド、タンニン、フェノール酸グルコシドなどが挙げられるが、ロデオラの有する刺激性やアダプトゲン作用は特にp-tyrosolおよびphenolicglycosiderhodiolosideによるものであると考えられている。phenolicglycosiderhodiolosideは、glycosidesalidrosideと構造的に極めてよく似ており、これらのglycoside化合物はアダプトゲン作用を有する植物には必須のものであると言われている。
また、gallicacidcaffeicacidなどの有機酸、フラボノイド、p-tyrosolはロデオラの持つ抗酸化作用を担っている物質と考えられている。これらの物質の作用により、ロデオラの抽出物にはフリーラジカルスカベンジング作用があることが確かめられている。[1,2]

ロデオラのアダプトゲン作用すなわち心肺保護作用や中枢神経活性化作用はモノアミンやβ-エンドルフィンといったオピオイドペプチドを活性化させることにあると考えられている。ロデオラの水溶性抽出物をラットに経口摂取にて投与したところ、皮質、脳幹、視床下部でのモノアミン量の変化が確認された。
皮質、脳幹ではセロトニン量が増加、視床下部ではノルエピネフリン、ドーパミン量が増加を示したのである。これらのモノアミンレベルの変化はロデオラがモノアミン分解酵素(モノアミンオキシダーゼやカテコール-o-メチルトランスフェラーゼ)を阻害したことによるものだと考えられている。またロデオラはニューロトランスミッターの運搬を促進しているとも考えられている。

In vitroの研究においてもロデオラは肉体的、化学的、生物学的ストレス物質への抵抗性を引き出すことが認められている。たとえば、ラットの水泳テストで水泳時間を135~159%増加させている。ロデオラ抽出物含有水で飼育した淡水カタツムリを対象とした研究で、種々の環境ストレス下においても有意な生存率の上昇が認められている。
その他、ラットを対象にした研究で、学習と記憶対して有益な効果をもたらすことも確認されている。[3]


一日の摂取容量としては100~170mg程度。
副作用として重大なものは報告されていない。最も多い報告は不眠で、ロデオラの刺激性によるものと考えられる。

最後にp-tyrosolやphenolicglycosiderhodiolosideの含有量は産地によって幅があるため、注意が必要である。
CHIRON社から発売されている“CONCENT”にはglycoside化合物が3.0%以上含まれているロデオラが使用されているため、品質がよい商品といえる。効果を期待する人にはおすすめだ。


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[1] Lee MW, Lee YA, Park HM, Toh SH, Lee EJ, Jang HD, Kim YH. 2000. Antioxidative phenolic compounds from the roots of Rhodiola sachalinensis A. Bor. Arch Pharm Res. 2000 Oct;23(5):455-8.
[2] Ohsugi M, Fan W, Hase K, Xiong Q, Tezuka Y, Komatsu K, Namba T, Saitoh T, Tazawa K, Kadota S. 1999. Active-oxygen scavenging activity of traditional nourishing-tonic herbal medicines and active constituents of Rhodiola sacra. J Ethnopharmacol. 1999 Oct;67(1):111-9.
[3] Gergory S, Kelly,ND 2001. Rhodiola rosea:A possible Plant Adaptogen. Alternative Medicine Review 2001



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